韓国の新興宗教団体が大勢の信者を集め、手をつないだり歌を歌ったりして、感染を広めたということで、ソウル市長がこの宗教団体を殺人容疑で告発した。

 手をつないだり歌ったりというのは、まさに小学校がそうである。体育や休み時間に友達と手をつなぎ、朝の会や音楽の時間に歌を歌う。休み時間には友達同士が近づいて唾を飛ばしながら大声で話したり抱き着き合ってふざける。あらゆるところに触り、しゃべり続ける。トイレ後や給食当番が綺麗に手を洗ったかの確認などいちいちできない。小学校の方がはるかに危険かもしれない。

 このような時期に大勢が室内に集まり、このようなことをする。結果は十分想定できることなので、殺人罪で訴えられても仕方がない面もあるだろう。島根県で、もし多くの子ども達が感染し(若い人は症状が出にくいので感染が目に見えにくいが)、同時にお年寄りの感染者が増えたとしたら、子ども達が媒介した可能性が高い。その場合、日本だから訴えられはしないだろうが、感染者や日本社会あるいは亡くなる人に対してなんらかの責任はあるだろう。

 結果がどちらになろうと(感染が広まるか広まらないか)、島根県がやっていることは感染を広めてしまう可能性が高い行動であることに変わりはない。結果的に感染が広がらなかったから、島根の行動は不適切ではなかったとはいえない。それは、よい条件が運よく重なっただけである。結果はどうあれ、行動がよくなかった。