(前の記事の続き)

 数十年前に比べて人としての質が落ちてきたのは、義務教育で「個性尊重」や「自己実現」の名のもとに、学校において子ども達を自由(指導を緩めて野放し)にしたり、身勝手な言動を大目に見たりしてきたことが大きいように感じる。

 また、教育の専門家である教師や学校に対して、素人意見を堂々と言う親バカのモンスターペアレントが増えたことも、教師が子どもを厳しく注意せずにほおっておく(親の相手をする時間が無いので子どもをほおっておく)ことに拍車をかけた。

 なぜ学校教育の素人である保護者が、学校や教師を見下して指導めいたことを言うようになったのだろうか。子どもがお世話になっているのに、学校や教師に対して傲慢に文句や批判を言うようになったのだろうか。それは、ごくわずかな割合で発生する教師による事件や不祥事を、マスコミが大々的に取り上げて、学校や教師の権威を貶めたためであると考えられる。そして素人が学校教育の専門家に食って掛かるようになった。

 70年以上前には、親が学校や教師に対して何か文句や注文のようなことを言うなど考えられなかった。会うと、いつも低姿勢で「いつも子どもがお世話になっています」、「いつも迷惑をかけてすいません」、「子どもが悪いことをしたらぶん殴ってやってください」などと言った。このようなことを言う親の子は、非の打ち所がないほど素晴らしいものだ。子は親の鏡であり、親を見ると子どもがわかる。当時は教師も熱心(厳格)で、自分勝手な言動、ズルや嘘などに対しては、けがをしない程度にたたいたりした。そのようにされて育った強くて謙虚でまじめな人々が大人になって、戦後強い日本を作ってくれたのだ。能力がないのに主張だけはものすごい今の大人達だったら、日本の経済成長はなかった。

 大人の質が変わった原因として、当時の文部省の誤った方針と、マスコミの報道の在り方(多くの保護者をモンスターに変えた)などがあると思われる。