神戸大学の教授が、クルーズ船内のウイルス対応を動画で批判していた。自分が船内に入ったが「出ていけ」と言われたことが許せず、自分が投稿した批判動画のシェアのお願いをしていると感じた。これでは、切れやすいオタクがやっていることと同じだ。「教授」が取る手法ではない。

 批判の前に「今からお話しする内容は神戸大学など所属する機関とは一切関係なく私個人の見解です。」と付け加えている。これは能力がない者の最悪の逃げ口上であり、叶うはずもない。あなたは間違いなく神戸大学の「教授」(研究の上級職)である。神戸大学の教授職に身を置く以上、あなたの言葉や行動が神戸大学の最高のレベルであり、言動は本人と大学に必然的に生ずる。

 彼はテレビ局のインタビューで、船内をレッドゾーンとグリーンゾーンのみにして、あとは船外に出すべきだと話していたが、船外から毎日3度食事を運び入れたり、クルーが船内の環境を維持する操作を船外から行ったりすることは、現実的に可能なのかということもある。彼のインタビューも見たが、あまり納得のいくものではなく(可能であればそうした方がいいが、あの狭い船内に大勢の人がいて、どこにウイルスがあるかわからない状況では難しいと感じた)、彼に「おりろ」と言った政府関係者?に賛成する。そして昨日、まだ不安はあるが、ともあれ陰性の乗客を下船させた。完璧にはできなかったが、WHOがいうようにそれは当然のことで、できる範囲で政府はよくやったと思う。あと2,3日のところで、彼を下船させず彼の言う通りにしていたら、現場がさらに混乱したり乗客の下船が長びいて体調が悪くなる人も出たかもしれない(横浜港に寄港してすぐのことであれば、彼の提案を実現できた可能性もなくはなかったが、それでも物理的な船内状況から難しかったように感じる)。

 大学教授などの研究者は、SNSなどで不満(机上の正論?)を拡散要求をするのではなく、後に論文において、すべての事実の調査とその客観的分析、総合的な検証をした後に根拠に基づいた提言を展開しなければいけない。それが研究者である。さもなければ、彼は口で神戸大学は関係ないと無意味なことを言うのではなく、退職して本当に一個人となってから個人的な動画のシェアを求めればよかったが、それもできない感情だったのだろう。「教授」は、SNSで世論形成をするのではなく、現実的な正論やより適切な主張で、社会に貢献したり世論を作ったりするものだ。