「教授」というのは、研究者の最上級役職である。教授の使命、責任として、研究や学生の指導だけではなく、知識の伝達や知識に基づく的確な助言などがある。テレビ局も、その教授として出演を依頼しているはずだ。

 新型コロナウイルス情報に関わって、白鴎大学の岡田教授が連日朝から晩までテレビに出づっぱりで、今や世論作りの一翼を担っている。彼女の口癖は「私個人としては」である。この言葉の後、現場の詳しい様子や多方面の状況を詳細に調査しないまま自分の想像や願いを話したり、過去の対応についてこうすればよかったと批判している。

 東大の教授であれ、白鴎大学の教授であれ、専門家中の専門家である「教授」である以上、責任の取れないことを口にしてはいけない。そんなことは、本物の研究者であればわかっていることだ。質問をされてわからないことは、「それはわからない」というべきで、そのように言うことはまったくわるいことではない。根拠のない発言、想像、正確な多くの情報に支えられていない見通しや提言などは一切口にしてはいけない。

 彼女が発言の前によく「私個人としては」と付けるということは、自分の発言が教授として責任の持てる内容ではないと自覚しているか、あるいは責任逃れができるよう同僚や上司に言い方を注意でもされたのではないかと思われる(同僚といろいろ話し合っている旨を自分で話していた)。

 さらに言わせてもらうと、彼女の態度(表情、立ち方)や話し方(コメンテーターなどに質問された時、多くの場合いきなり「だから」「ですから」という言葉から答え始めたり、早口で責めるような言い方をして周囲や視聴者を興奮状態にさせたりする)をみると、今のような危ない状況において世論を作る人、方向付けをする人としてはふさわしくないと感じる。もっと専門的知識や社会的・国際的なある程度の知識を備えた人(例えば学会の理事級の教授)に、今の日本を任せたい。悪いが、彼女の話は態度の悪いオバタリアンが愚痴を言っているように聞こえ、この人1人のせいで適切な現実的対応が遅れたり国民の不安が必要以上に高まったりしたら、悔やんでも悔やみきれない。

 彼女は、テレビ出演を1日1つか2つくらいまで減らした方が、世論への彼女の影響が減少できるだろう。朝から晩まで毎日出ている専門家は他にはいない。影響を考えずに出演依頼をすべて受けるところも、社会的知識の少なさを感じる。

 彼女は、いま日本は踏ん張りどころで、対応にミスが許されない状況であることをもう少し考えた方がよい。パニックを煽るような言い方(早口で責め立てるような言い方)や、責任のとれない発言(「個人的には」発言)も、もうやめにしよう。