インフルエンザに比べると、新型ウィルスは潜伏期間が長く、その間にも他人に感染させてしまうという。しかもインフルは感染後(発熱後)約8時間で陽性になる(ウィルスが十分に増殖する)が、新型は何日もかかるようだ。
新型ウィルスの特性や現在の感染現状を考えると、希望者全員にウィルス検査をさせることが適切なのか精査する必要がある。数量的に、発熱している人の検査や入院している人の再検査の妨げになる恐れはないだろうか。
また、全員すぐに船から降ろした方がいいという。それは単純に誰でもそう思うだろう。しかし、それが可能かどうかが重要だ。コメンテーターや大学教授の発言は、いつもこの物理的、現実的にすぐできるのかという重要な検証が抜けている。隔離できる病室のある病院の確保は全員分できたのか(通常診療もある)、船から病室までの移動方法はどうするのか(他人との接触)、ばらばらになった乗客からの無理難題に誰がどうやって対応するのか(要求は無限に高まる)など、クリアすべき条件は数多い。できるとしてもすぐには無理で、準備期間(病院を探したり調整したりする時間)が必要だろう。
コメンテーターや専門家が、今すぐこうしろと叫ぶのは、あまりにも短絡的で幼稚な提言だ。今後は、社会に影響を及ぼすテレビで発言したことには責任を持つことにしてほしい。発言通りにして、もし後で別の方法がよかったとなった場合、被害額を支払うというのはどうだろうか。そうすれば、感覚的に無責任なことを発信し続けてきた人々は、少しは黙るだろう。