ダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウィルス感染者の数が日増しに増えている。乗客は高齢者がほとんどで、体調を崩す人も多いという。対応しきれる線を超えてしまった。
乗客の話で、香港からたくさんの中国人が乗船し、食事の時にはすぐ後ろの席に中国人の団体が座り、咳をしている人もいたという。嫌だと思ったが、食事なのでマスクを外して食事をとったという。
あれほどウィルスがまん延している中国に寄港したり、中国から検査もせずに不特定多数の中国人を閉鎖された船に乗せたりすることは、普通に考えれば自殺行為である(実際船内の患者は増え続けているし、現在東南アジアを航行している他のクルーズ船はどこの国からも寄港を拒否され、大海原を漂っている状況)(2/12追記:今朝の厚労省発表では、新たに39名の感染者を確認、人工呼吸器をつけている重傷者4名)。これを狙って中国に寄港したのかとも思えるが、そうではない。意図的ではないのに、このような状況に至らせる方法がもう1つある。
なぜ、このような状況下で中国に寄港して多くの中国人を乗船させたのだろうか。それは、絶対視されている「人権」というものがあるからだ。中国に寄港して大勢の中国人を乗せなかったら、「人権無視だ!差別だ!」と世界中が騒ぎ立てたであろう。今回のことで多くの人が「人権」の正体を感じ取ったと思う。人権は最上位のものではないし、自己中や無知な人々によって必ず誤った使い方をされる。
「人権」という言葉を使うのであれば、世界共通の厳格な定義と具体的な内容を決めないといけない。そうでなければ、自分勝手を通すための道具になったり、災害時に被害を大きくしたり、あるいは喧嘩や戦争の引き金になったりしかねない。