中国武漢で発生した新型肺炎が広がりを見せている。武漢では500人以上の感染が確認され、死亡者も増えている。悪いことを隠すあの中国が、武漢の飛行場を閉鎖し他地域に出ないよう呼び掛けている。よっぽどのことなのだろう。台湾も武漢からの団体客の入国を禁止した。
日本はどうかというと、飛行場で高熱を検知する機械で調べたり、体調に関する自己申告のチェックシートを書かせたりしているそうだ。熱があったら解熱剤を飲んでいるだろうし、かなり前から計画していた日本旅行なのに飛行場で足止めされるような体の不調を正直に書くわけがない。事実上、何も対策を取っていないのと同じだ。
そのような中、日本において中国からの旅行客入店お断りという張り紙をした店があるという。あの中国でも武漢からの移動を禁止し、国によっては入国まで禁止をしている。まだどのくらいの危険性があるウイルスなのかわからない現時点では、世界的に危険なウイルスだと思って対処するのが当然だ。
フジテレビの情報番組「とくダネ」の中で、政治学者の三浦瑠麗氏をはじめ、司会者や4、5人のコメンテーター全員が、この店の対応がひどいと批判していた。1軒だからダメなのだろうか。国全体で入国禁止ならいいのだろうか。中国から多くのお客さんが店に来て、もし店の人に感染したら商売ができなくなるだろうし、店員さんが感染したら拡散する拠点ともなりかねない。韓国がやるように、関係のない理由で入店拒否をしているのではない。命や日本の国、あるいは世界の国がどうなるかわからないウイルスである。中国人が嫌いだからとか中国が領海侵犯したから入店お断りのように関係のないことで入店拒否をすることについての批判であればわかるが、今回の場合、同等に批判の対象にはできない。
そもそも、なんで国際政治学者が国際政治以外のことについて社会に影響を与えるようなコメントを発信するのだろう。学者というだけで、専門外の私感でも視聴者は意見をうのみにしてしまう。彼女には、自分の身分、立場を考え、学者としての責任を持って仕事を選んでもらいたい。
日本以外のアジアの国々が厳重警戒している中、日本だけが効果的な対策を全くせず、情報番組では人権をはき違えた頓珍漢な意見を無責任な司会者とコメンテーター達が世間にひろめている。お金のために群がる総合的な判断ができない気の強いだけの人々によって、国が滅ぼされるのは御免だ。原発事故の際の御用学者たちを思い出す。
新型でまだよくわからないウイルスだということ、感染者の広がりが速いということ、死者が増え続けているということから、日本も他のアジアの国と同じように、ウイルスの正体がはっきりするまでは厳重に警戒しなければいけない。世界的規模の危険性はないウイルスとわかった時に、警戒を解除すればよい。これほど感染者や死亡者が増えているよくわからないウイルスに対し、はじめから警戒しない理由はないだろう。日本のように取り返しがつかなくなるまでは様子を見ていようというような考えだと、いつ人類が滅んでもおかしくない。
(追記:24日現在、感染は中国全土に広がり、病院での死亡者は25名を超えた。病院が混み合い、自宅に返されている患者もいるとのこと。自宅で死亡したとしても先の人数には含まれない。鉄道による武漢からの移動も現在禁止。日本に来ている中国人旅行客1人が新型肺炎で日本の病院に入院中。本人は、日本ではマスクをしていたというが真偽は不明。まず感染者と同じホテルに宿泊していた人をホテル外に出ないようにしてすぐに検査をした方がよいだろう。広がりを止められなくなる)