お笑い芸人のトレンディエンジェルの一人が、スーツを両側に開いて「斎藤さんだぞ」というギャグがある。もう何十回も見ているのでだれもがおかしいとは思わないだろうし、そもそもおかしな動作ではないので私は初めて見た時から笑ったことはない。しかし、これをやられたら、笑わなければいけない。日本人は一般的に思いやりがあるので、相手につらい思いをさせたり、悪い雰囲気をつくることを無意識のうちに避けようとする。愛想笑いはするが、疲れるし、正直つらい。テレビで見ていても、テレビ局がバックに後付けの笑い声を入れて、視聴者を無理に誘い笑いさせようとする。つられて笑うが、それも非常に疲れる。お笑い芸人は、もう少し視聴者のことも考えて、ギャグをやってもらいたい。

 宮迫氏の復帰が時々聞かれるようになってきた。彼が出てくると、いつもほほをたたきながら「宮迫です」というものを見させられ、見た人は相手を気遣って笑うことになる。普通のことを大声で叫ぶ、いわゆる切れ芸もそうだ。

 最近のお笑いは、テレビ局が後付けする笑い声によって無理に笑うことを強制させられたり、芸人に気を使って無理に笑わなければならないことが多く、お笑いを見た後は、ぐったりするとともに残念な思いが残ることが多い。普通に見ていて、自然に笑いが出るような(話)芸やギャグだけでよい。