テレビやラジオで、一般の人から「相談にのってほしい」という手紙などが紹介され、それについて芸能人がアドバイスをしたりする。今日も、物まね芸人のりんごちゃんが、歌手を目指すか大学を目指すか迷っているという女子高生の相談を受けていた。りんごちゃんは、自分も東京に出て今のように成功したから、歌手になりたいという自分の気持ちに突き進んだ方がよいとアドバイスしていた。
りんごちゃんは、ごく少数の成功者だ。一生、この仕事で食べていけるかは別にして、とりあえず今は芸能活動だけで生活しているだろう。りんごちゃんのように東京に出て芸能界を目指す人はたくさんいるだろうが、成功する割合(芸能活動だけで食べていける人の割合)は1%以下だと思う。成功しなかった人の誰かに相談すると、就職口が広く確実性の高い大学に進んだ方がいいよアドバイスするだろう。相談する相手によって、答えは変わってくる。
成功者だけに相談するのも危険だし、誰でもよいから相談にのってほしいというのも無茶苦茶だ(精神安定が目的なら別だが)。だからといっていろいろな人に相談しても、判断するのは未熟でよくわからない自分であり、相談の意味がなくなってしまう(よくないものを自分の考えで選択してしまう)。相談する人の環境(性格や能力、家族の収入等)を把握し、客観的に判断してくれる人に相談するのがベターであろう。
一般論でいうと、街でスカウトされたとか、芸能関係のコンクールで上位に入賞したといった現実的な好環境にあるのであれば、歌手になる可能性も少しは上がり、目指すプラスの意味も出てくるだろうが、全くの一般人であれば可能性の観点から、大学を目指すのがよいだろう。そして、思いが強ければ、大学を担保にしながら、在学中だけ並行して芸能を目指す道もある、というアドバイスになるだろうか。