韓国が、GSOMIA破棄を条件付きで延期した。

 GSOMIAは、内容も運用の仕方もあいまいではなく、両国間で厳密に決めていたはずである。しかし今回、新たな条件を一方的にGSOMIAにつけてきた。もはやこれまでのGSOMIAとは異なってくる。「GSOMIAの延長」ではなくなった。

 それから、日本のある国会議員が今回の韓国政府の決定を受けて、「日本が失ったものはなかった」と話しているが、輸出規制解除の議論を行うことを日本は約束させられた形だ。「日本が輸出規制解除をしたら、GSOMIAも延期する」としていた韓国にとっては、ほぼ目的が達成できた形だ。日本にやましいところや間違いがないのであれば、これまで通り輸出規制解除の議論などは拒否した方がよかった。日本が繰り返し言ってきた通り、GSOMIAと輸出規制は別の分野の話でまったく関係のないことなのだから。私には、韓国に軍配が上がったように見える。

 輸出規制解除に向けての議論を行うことは、韓国側の要請であろう。日本は外交においていつも、最後に相手に情けをかけて譲歩をしたり、相手が不利になる部分をあいまいにして合意したりし、それによっていずれ日本が被害を被るという歴史を繰り返してきたはずだが、今回も最後の最後に韓国に情けをかけてしまった。

 もし、この提案をけっていたとしても、韓国はアメリカによる強力な報復(在韓米軍費用の多額の負担か在韓米軍の一部引き上げ)を避けるためにGSOMIA破棄を延期したと思う。その判断をぎりぎりまで待って、チキンレースのゴール際で日本から規制解除への議論を勝ち取った。

 もし、本当にGSOMIAを破棄をした場合、アメリカの韓国に対する様々な制裁によって韓国の身勝手な外交は影をひそめ、日韓の様々な問題もアメリカの加勢によって解決の方向に向かうと思っていた。いずれにせよ、韓国に全く譲歩せず、無条件での延期か破棄になることを望んでいた。しかし、韓国の望む結果となり、すべてをぶち壊す最も悪い結果となった。日本の詰めに、ため息しか出てこない。

 これからも、日本がどんどん韓国にやり込められないよう、様々な問題について情けをかけずに最後までやりきることが大事だと思う。