台風19号の際の森田千葉県知事の対応について問題になっている。彼の知事としての災害対応について、いじめのように大勢で一方的な攻撃を放映するのではなく、必ず対立する2つ以上の意見が集まるようにコメンテーターをそろえないといけない。世論操作となってしまう。情報番組などのテレビは、多様な情報を視聴者に提供するだけでよく、あとはそれを聞いた国民が考えて判断すればよい。

 テレビのコメンテーター達は、森田氏が弁明の記者会見で、手が震えていたりのどが渇いていたり(コップの水を何度も飲んだから)したことを馬鹿にするように責め立てていた。これは、その人の性格や大勢による攻撃のような記者会見によるもので、知事の台風対応のこととは関係がない。こんなに大勢で責めてくるような記者会見をされたら、興奮して手が震えたり声が大きくなったりもするだろう。例えば、しずかにゆっくりと一つ一つ誠意をもって質問をしていたとしたら、森田知事も興奮状態にはならずに手が震えたりしなかったと思う。テレビ朝日の朝の情報番組のコメンテーターなどは、手が震えてのどが渇いてこれがすべてなんですよ!というようなことを、自分が映ってもいないのに吐き捨てるように叫んでいた。このコメンテーターが、森田知事の人格に対するゆがんだ世論を作っていると思うと、気持ちが悪く、恐ろしくも感じた。ちなみにこのコメンテーターは議論で興奮すると声が大きくなるタイプだ(これは悪いことではなく、それを責めたくもない。話している内容で判断するだけである)。話はそれだけでは済まない。今後、日常生活や仕事上、手が震えたり何度も水を飲む行為は馬鹿にするものだと、国民に刷り込んでしまった。学校における子ども同士のからかいやいじめも心配だ。もう取り返しがつかない。

 森田知事は、私から見ると行政の長としての能力に欠け、知事にふさわしくないと思う。だからといって森田知事に対して、台風対応と別のことを取り上げて人格攻撃のような言動をすることが許されるはずもない。別の話だ。公職者の責任検証といじめは違う。