東京オリンピックのマラソン会場が、ほぼコースや運営の準備が終わった今になって、あっという間に東京抜きで札幌に変更された。マラソンは、オリンピック開催地である東京の魅力を世界に紹介する機会でもあった。オリンピックスタジアムにゴールし、その盛り上がりのまま閉会式へとつながるはずであったが、それもなくなった。
競技の席を申し込んだり、オリンピックのピンバッチを買ったりと、私の中でも多少盛り上がっていたのだが、今回のことでだいぶ気持ちが萎えてしまった。世間や芸能人からも、「オリンピックは、やめちまえ」などという声が出ている。何の場合でも、もめごとが起きると一体感がなくなり、テンションも下がってしまう。今回のオリンピックは、個人的には、最高の気持ちで開会式や様々な競技を見られないような気がする。
札幌で街中だけを走るのは難しく、やはり郊外に出て自然の中を走る時間が長くなるだろう。世界の人も、自然はどこにでもあるので、魅力的には思わない。その中を延々と走る姿を世界中の人はどういう気持ちで見るのだろう。北海道の人は、マラソンが札幌になったことに対する批判を、「ひどい」、「北海道を馬鹿にしている」などと言っているが、それは筋違いである。私は東京より自然が多い北海道に住みたいくらいである。しかし、世界中に放映されるオリンピックマラソンのコースとしては、視聴者はつまらないということだ。
それに、これから数か月にわたって雪が積もることを考えると、かなり準備期間が少ない。現地で応援する人の場所はあるか(歩道の広さなど)、応援場所まで行く手段はあるか、宿泊場所は大丈夫か、治安対策はできるか、この場所で選手や応援の人が倒れたらどうすか(それをすべての場所で対応できるか)、コースのどの場所でテロが起きても対応できるかなど、全てにおいて準備が可能であるのか、はなはだ疑問である。札幌の人は喜んでいるようだが、引き受けてしまって本当に大丈夫なのだろうか。私が札幌市長だったら、怖さしかない。