買い物に行くと、「サライ」が聞こえてくるようになった。間もなく、24時間テレビの募金が始まるのだろう。サライの意味を調べてみたら、「宿」から転じてオアシス、くつろぎの所、ふるさとを示すようだ。この曲の場合、ふるさとを指しているのだろう。そこで疑問が出てくる。世の中には、地元を出て働く人はたくさんいる。そもそも江戸や東京は、そのような人々によって作られたまちである。地元を離れて働く理由は、別に地元を悪く思ったり嫌だと思っているわけではなく、やりたい仕事がなかったり、勤めたい企業が他の地域にあったり、他の地域の入社試験に受かったりなど、様々であろう。初めは地元に就職しても、転勤で他の地方勤務になったり海外勤務なったりすることもある。

 それを踏まえてサライの歌詞を見ると、地元を離れることを「ふるさとを捨てた~♪」と歌っている。なぜ「ふるさとを出た」や「仕事をするためにふるさとを離れた」ではなく、「捨てた」というマイナスイメージの表現を選んだのだろうか。日本人のほとんどは、ふるさとを捨てた悪い人だというのか。非常に悪意を感じるし、多くの人々に悪口を言っているようで不快になる。

 この曲をバックに、24時間マラソンも行われる。これまた、何のために走るのかよくわからない。ゴールに到着してもメダルも記録も誰かのためになることも何もない。おそらく視聴者を感動させるために走るのだろう。しかし感動とは、ある目的があり、それに向かって頑張る姿に感動するものであり、感動させること自体が目的になることはないはずである。感動させることを目指して何かをするなど、人の心をもてあそび、馬鹿にしている(見下している)ようにさえ感じられる。

「ふるさとを捨てた~」をバッグに、「みんな感動するんだ!」と言わんばかりに走る。「募金しろ」と叫んでいる芸能人達は、多額のギャラをもらい、うれしくて仕方がないだろう。わけのわからない嫌な番組が今年もやってくる。