稲田前防衛大臣が保身のために嘘を言い続けた結果、国のためにまじめに働き本当のことを話してきた部下の前事務次官と陸幕長が辞任することになった。

 仮に部下に不手際があったとしたら、部下を守ったり、部下の責任を上司がとったりするのが普通である。しかし今回はその逆で、上司の嘘を守るため、そして上司だけを悪者にしないために、部下が自ら辞任し、稲田氏もそれを止めなかったという構図だ。正直で立派な二人が、またもや安倍一族の犠牲になった。気の毒で仕方がない。個人的に、稲田氏は人間として本当に悪い人だと思った。そして、その状況を知った上で彼女のしりをたたき続けた上司の安倍氏は、もっと悪い人だと思った。防衛省職員や自衛隊の方々がかわいそうだ。命をかけて国民を守ってくれている自衛隊の方々には、最高責任者の総理大臣が変わったら今回の事は忘れて、また国民のためによろしくお願いしたい。

 大臣の辞任会見は、反省する態度を取るどころか、攻撃的な態度ではったりをかましていた。防衛省を去る稲田氏は、今の心境を笑顔で「空」と話していた。般若心経の空の事だろうが、なんと陳腐で場違いな感想なのだろうか。いや、それ以前に、今の彼女の気持ちは「空」とは真逆である。辞任して防衛省の入り口を出る最後の最後まで嘘を平気で言い続ける彼女は、いったい何者だったのだろう。安倍氏の言うがままの事か、「対処します」などの漠然とした言葉か、ペーパーを馬鹿みたいに延々と繰り返すことしかできなかった人に、日本の防衛を任せていたことに驚きも覚える。

 彼女の最後は、安倍流の化けの皮が剥がれたみじめな姿にみえた。これからは政治に口を出さず、彼女流のファッションにいそしんでもらいたい。