オリンピック体操で、内村選手が離れ技をした時に鉄棒から落下した。落下直前に館内は、他の演技をしていたブラジル選手への大歓声に包まれた。私も見ていたが、驚くほどの大絶叫だった。これでは内村選手はびっくりして鉄棒をつかめないのも当然だ。本人も試合後に、「そんなに難しい技ではなかった、歓声が・・・」と話していた。コーチは「鉄棒に滑り止めがついていなかった」と話していた。初日の朝だったためらしいが、運営側も素人が多いのだろう。

「オリンピックには魔物が住んでいる」とよく言われるが、魔物の正体がわかったような気がする。オリンピックは真に実力を競う世界選手権のようにきちんと行われるものではなく、やはりお祭りに近いものである。不適切な部分が多いために、実力通りにいかないことが多かったり、ハプニングで弱い者が勝つという奇跡が起きたりするということなのであろう。

 そうであるならば、本当に強い選手達は、そんなにオリンピックで金を取ることにこだわることはなく、世界選手権で金メダルを目指せばよいのではないだろうか。お祭り(オリンピック)はただ楽しめばよい。本当に「オリンピックは参加することに意義がある」と感じた。