尾木ママが,朝霞市の女子中学生監禁事件について,「(犯人の)卒業取り消し処分なんて『あり?』でしょうか!?。」「犯罪と四年間学んだ実績とは切り離すべきじゃないのでしょうか」などと述べた。
極論を考えれば,構造が見えてくる。例えば,ある人が大学生である4年間のうちに,誰にもばれないように50人を殺したとする。そして卒業証書をもらった翌日,ばれて逮捕されたとする(3月31日以前)。尾木ママの主張だと,大学の授業と日常生活とは切り離すので,この死刑になるであろう極悪犯人を,その大学の卒業生と認定するということになる。大卒枠での入社試験を受けられる資格を与えるということである。
犯人は千葉大にいた4年間で何を学んだのだろう。大学の講義内容も学んだし,監禁の仕方や精神的拘束の仕方,違法行為を続ける道徳心なども実践的研究において学び,そして犯罪者となった。犯罪と四年間学んだ実績を切り離すことなどできるわけがないというか,4年間の学びの成果が犯罪行為だったのである。
「犯罪と四年間学んだ実績とは切り離すべき・・・」と尾木ママは言うがその実績の中身を無視した主張は不適切である。したがって,「(犯人の)卒業取り消し処分なんて『あり?』でしょうか!?。」の答えは,「あり」である。
話はそれるが,尾木ママはよく「~べき」という言葉を使うが,私が教師1年目の時,校長から「『~(する)べき』という言葉は使っちゃだめだよ」と言われたことがあった。能力の無い人や見識の狭い人が持論を正当化したい時に使う言葉だからだ。