子ども関係の事件や事故が起きると,いつも尾木ママが出てきて,「学校が悪い」,「教師が悪い」,「教育委員会が悪い」「信じられない」とコメントをしていく。もちろん尾木ママ自身が新聞社やテレビ局に赴いて,私の感想をニュースや情報番組で伝えてくれと頼んでいるわけではあるまいが,いつもこの繰り返しだ。

 尾木ママは,なぜマスコミが教育系大学の研究者の所ではなく自分の所にこぞって感想を求めに来るのか,考えてみたことはあるだろうか。たしかに尾木ママも大学教員ではあるが,客観的な研究をしている学者ではなく,感情的に小中学校や教育委員会を攻撃するだけの教育評論家にすぎない。マスコミ(「学校が悪い」と国民に大騒ぎをさせたい側)は,尾木ママがいつも期待通りの感想を言ってくれることをわかっているから,尾木ママの所に行くのではないだろうか。彼は決してマスコミの期待を裏切ることはない。世間が騒がないようなコメントはしない。裸の王様ほど恥ずかしいものはない。

 彼は,自分を良く見せたい,教育界の上の方に君臨したいという気持ちが強いように感じる。これまで学者や校長になれず教育評論家であったことが彼の中で屈辱的な汚点として残っており,それが学校や教師,教育委員会への異常なまでの攻撃に向かわせているように見えるのである。