裁判所が,福井県の高浜原発3,4号機の運転差し止めを命じた。関西電力側や政治家たちは,日本の安全基準は世界最高レベルであり納得できないと話している。
世界最高レベルの安全基準をクリアしていれば安全だと思っているのだろうか。自然の力の前では,人間の力など微々たるものである。大地震が来れば,大地は裂け,日本の半分の土地が揺れ動く。それに対抗できる力が人間にあるだろうか。なされるがままに呆然と見ていることしかできない。自然の力から見ると全く及びもしないレベルの所で,他の国より基準が高いなどと自慢しても自然の前では何の意味もない。そもそも,日本のように大きな地震が頻繁に起きない国々の安全基準と比べて日本の安全基準は高いと言われても,それはそれで不安しか残らないだろう。元々の条件が違うのに(大地震や直下型地震の頻度が違うのに),安全基準を比べたって意味がないだろう。無条件に安全基準の高いほうが安全とはならない。でも政治家はこれを唯一のよりどころとして原発を再稼働させていく。そして記者会見では記者たちも納得して追究したりはしない。
東海沖地震は南方でおきるから福井県は大丈夫だというなら,阪神淡路大地震のような直下型はどうか。あの時は高速道路を倒し,線路を波打たせ,多くのビルを崩壊させた。高浜原発の建物はそれ以上に丈夫だというのか。原発の地面が割れて建物が大きく傾いても格納容器内は大丈夫だというのか。
私もまず起きないとは思うが,これまで事故に合った人も全員自分だけは大丈夫と思っていて,事故に合ってきた。だから,事故に合うことは想定しなければならない。そして事故にあった時は,車の事故や飛行機事故などとは比べ物にならないくらいの影響を受ける。日本の半分の範囲が放射能の影響を数百年(もっと?)にわたって受け続ける。福一原発のように東方が海ではないので,大阪や関東に向かってプルームが何カ月にもわたって襲い続けることもあるかもしれない。そうなれば,即死は無いだろうが健康被害とその人数は想像したくないものだ。だから自動車や飛行機なら利用してもよいが,原発はダメなのである。
裁判所の判断について世間の人の声を聞くと,裁判所が決めていいの?とか裁判所は専門家じゃないなどの批判的なものが多かった。私は逆だと思っていた。月日のもつ力はものすごい。何でもなかったことにできてしまう。5年前の明日,東日本大震災が起きた日だ。裁判所の判断を非難している人々は,電力会社や政治家たちのように「私は原発運転差し止めに反対だ!」と,あす大きな声で叫んでほしい。