世界卓球の決勝戦で日本の女子が負けた。試合を見ていたが,リードをしていてもちょっとしたきっかけで簡単なミスを何度も繰り返していた。負けるのは当然だ。気持ちの問題だなあと思った。石川選手は2セット先取する力があるのにその後は続けて3セット取られたり,伊藤選手は1セット目を取る力があるのに最終セットはたった1点しか取れなかった。日本人だから負けたのだと思う。このブログで何度も書いてきたが,日本人は精神的に弱くミスを他人事のように考える。何度もミスを繰り返しては,負けるのは「ミス」のせいで私のせいではないと考える。しかたがないことなんだと思い込もうとする。これは苦しさから逃げて早く負けて終わらせたいという心理が無意識の部分に生じるように見える。実際,中国に負けた後の日本選手のインタビューでは,残念だったと話しながらも嫌な困難な試合が早く終わってすがすがしい感じさえ伝わってきた。
多くの国際競技において,接戦になった時や力が同じ場合,日本が自滅して負ける確率はとても高い。特に卓球は精神面が大きく影響する競技なので,いくら日本選手が練習をして技術が高くなったとしても,「逃げ(ミス)」の壁を超えることはできない。このままでは今後も日本が中国に勝つことはないだろう。
では,どうすればよいだろうか。日本は,多くの競技において作戦面と心理面が弱い。どの競技においても技能や体力を高める練習は個人で行なうのであろうが,各競技の協会として,あるいは国として作戦面の科学的サポートと心理面のセルフトレーニングをきちんとおこなっていくことが必要であろう。スポーツは運動というイメージがあるが,競い合う以上,作戦とセルフコントロールの訓練を軽く考えてはいけない。