茨城の高校で,教師が生徒の服装の乱れを注意したら生徒が笑ったため,教師がバールで生徒の腕を殴ったり手で腹を殴ったりした。その後,生徒は一時腹痛を訴えたり,白血球が増加するなどの異常が見られたとニュースでやっていた。

 

<問題点>

①なぜ高校生になってもこの生徒は服装のマナーが身につかなかったのか。

②注意を受けて笑うような生徒を,今後どこの機関で教育するか。

③白血球数まで持ち出すということは親が病院で調べさせて公表しているのだと思われるが,それは白血球まで持ち出さなければならないほど体に異常がなかったことの証だ。腹痛に「一時」を付け加えざるを得なかったことも,単なる生徒の嘘ととらえたほうが自然である。注意をされてへらへら笑うような悪い子どもが,よくそんなに謙虚に被害を言ったものだとむしろ感心してしまうくらいだが,これは診断書などの証拠を示せないから「一時」で逃げているのだろう。生徒の悪さや病院に行って血液検査までして騒ぐような親の異常さを指摘する人はだれもいないのだろうか。それはタブーなのだろうか。

④マスコミは報道の際,バールで腕を「殴った」,手で腹を「殴った」と表現したのだろう。それは,普通に「たたいた」という表現では,この教師は残酷にも思いきり暴力をふるったという印象を視聴者に与えることができないからであろう。教師を悪者にして世間みんなで攻撃できなくなるし,情報番組も盛り上がらなくなる。このニュースの表現のしかたは,プライドの高さゆえの教師全体に対する悪意や憎しみが伝わってくる。世論をつくる役割でもあるマスコミの意識,姿勢が問われる。

 

 今回のニュースを見て思ったことは,授業中にわざとだらしのない恰好をし注意を受けたらへらへらと笑う子どもと,異常なまでの攻撃的な親は,他の迷惑も顧みず自分がやりたいようにやる迷惑者という点で,そっくりだなあということであった。子は親の鏡とはよく言ったものだ。体罰は教育の一環だ。これまで甘やかされきちんと教育をされなかったから,この生徒は甘えた自分勝手な子どもになったのである。親もまた,学生の頃から厳しく注意されずに自己主張が何でも通ってきたから,こうなっているのだと思う。ここであなたは「でも怪我をさせるのはよくない」といった極論(例外的なこと)を持ち出して逃げてはいけない。もちろん,けがをさせるなどのダメなことはダメなのであるから。教育の本道,今後の日本の教育のあり方を語ろうではないか。

 全ての体罰がすぐ問題になったり悪いと言われたりするのは,法律で禁止されていることが大きい。体罰反対論者は,議論において教育的には体罰を認めざるを得なくなっても,最後は決まって「でも法律で認められていないからだめなんです」と言う。だから,まずは法律を変えなければ,このすれ違いの無駄な議論がいつまでも続いてしまう。