どこかの学校で,プールに入れる水を止め忘れ,かなりのお金が無駄になったとのことだ。そのお金を,校長と教頭と担当教員の3人で均等割りにして弁済するらしい。

 学校の責任者は校長だ。多くの権限がある分,責任も最大限にある。学校で何か事故があった時の現場責任者は校長である。だから,校長が責任を取って全額一人で支払うのが適当だと思う。もっと広く,正確に考えると,校長より権限の大きい指導的立場の教育委員会,さらにそれ以上の権限がある市の責任ということにもなる。だから,市が水道代を肩代わりするのが適切かもしれない。平の担当教員などには何の権限もない。つまり責任などとれる地位にない。だから,支払いも不要だ。担当教員は体育主任だろうが,体育主任は二十代後半で元気だけはあるがまだ何もわからない若い教員がなることが多い。そんな教員に責任を取らせてお金を払わせるのか。校長として恥ずかしいだろう。

 担当教員は指導や注意を受けるかもしれないが,それは責任を取ることとは違う。「責任を取って役職から離れる」,「責任を取って仕事を辞める」という話をよく聞くが,それは他人には全く関係のない話であって,それと責任を取ることとは関係がない。責任を取るということは,「原状回復をする」ということだ。だから,今回のプールの件で言えば,余計にかかった水道代をなくする,つまり水道代を支払うことが責任を取るということになる。そして現場の責任者である校長,または考え方によっては最高責任者である市の支払いということになるのだろう。