お笑いの松本人志氏が,甘利元大臣の辞任について「何兆円規模の日本にとっての損害の可能性があるわけです」と述べた。どうして何兆もの損害が生じる可能性があるというのだろうか。
枠組みやルールができ,あとは調印があるだけだ。だから,新大臣さえ調印式には行かない。安倍総理も話していた通り,これからは一大臣がどうのこうのと言うより,関係大臣が調整を図りながら国益を考えてうまく運営していくことになる。TPPの中身や交渉過程については,甘利氏よりも陰で働いていた内閣府の専門家たちやサポートをしていた学者たちの方が詳しい。その人々は今後も大勢いるだろうし,そもそも甘利氏本人も政治家として存在し続ける。必要であれば,TPP交渉や今後のことについて聞ける人はごまんといる。政治家は,専門家たちの代弁者や調整役に過ぎない。政治家には本当の専門家は基本的にはいない。
甘利大臣の辞任が,何兆円の損害になる可能性があるというのは,ちょっと意味が分からない。