最近,癌を公表しながらもテレビに出ていたコメンテーターや俳優たちの訃報が続いている。なぜ国民に対して公表する必要があるのだろうか。こちらにしてみれば,「がんばっているな」という感情より,「もう少しでこの人は亡くなるんだな」という悲しさや恐怖しかない。助かる可能性があるなら公表してもいいだろうが,余命数カ月の人が癌であることを国民に公言したり,ふらふらになり痩せ細った姿で公の場に出てくるのは,いろいろな意味で嫌な感じがする。楽しんごさんのように過去に睡眠薬をたくさん飲んで自殺しようとした人や,何度もリストカットの経験がある人は,そのことを他人に自慢げに話す。誰かに言いたくて仕方がないような人だ。そのような人と同じ心理とは言わないが,がんの国民への公表は国民のことを考えているのではなく,自分の気持ちを安定させたり前向きにさせたりするために国民に犠牲になってもらうという身勝手さによるものじゃないのかと思うのである。気持ちはわかるが,それはどういうものなのだろうか。

その点,愛川欣也さんや高倉健さんなどは静かに身を引き,最後までみんなにわからないようにしていた姿は素晴らしいなあと思う。芸能人とはこうあるべきたと思った。