東日本大震災が起きた3月11日が近くなり,テレビでは盛んに特番が放映されている。何が目的なのだろうか。国民が,あの災害を忘れないようにということなのか。
 北日本の人々は,当時の状況が鮮明に頭に残っていて,いまだにショックを引きずって生きている。食事にしても,汚染された北日本で採れた農産物や海産物を,日々泣く泣く食べている状況である。忘れたくても忘れられないのだ。それなのに,繰り返し繰り返し大々的に現地レポートが行なわれている。そんなことをしなくたって,忘れやしない。テレビ局は,そんなに視聴率がほしいのか。
 もし忘れている人々がいるとしたら,復興も進めず,福一原発では放射能を垂れ流し,それだけでは足りずに日本中にある原発を再稼働させようとしている政治家くらいであろう。国民向け番組はもういいから,マスコミは政府の尻を叩いて,現実的に災害復興に取り組ませてもらいたい。圧力に屈して,視聴率稼ぎの番組でごまかすのはもうけっこうだ。