中国や韓国の多くの人々は,自分の国の政府や社会について,「信用できない」とか「ひどいものだ」などと,ある程度冷静に見ている。その政府や政府の命令で動いているマスコミが流している日本との歴史関係についての説明だけは,そのまま完全に受け入れてしまう。どうせうそだろうと思わないのだろうか。それとも,思っているが外交上口にしないだけなのか。南京大虐殺も慰安婦問題も,「なかったもの」といえるレベルであることは,物的証拠や状況証拠によってはっきりしていることだ。
 中国や韓国は,日本は「歴史を直視していない」とか「歴史を変えようとしている」等とよく言うが,彼らの言う「歴史」が願望であったり,全くの嘘であったりするものであれば,それを日本や世界各国が認めることは当然できない。解釈はいくつもできようが,過去の事実(歴史的事実)は1つしかないはずだ。現在物的証拠で確認できるわずかな事実のみが,両国や世界で共有できる「歴史」となる。それについての感想や文句を言うのは各国の事情に任せてもよいが,それらはあくまでも「歴史」ではない。確認できる事実と外交戦略は切り離して行うことが重要である。過去の事実などどうでもよい,現在外交的に有利になることが第一なのだと考えている国が「(正しい)歴史」を持つことはできない。