『美味しんぼ』と放射能

　マンガ『美味しんぼ』で，福一原発を訪れた主人公が原因不明の鼻血を出したというストーリーに対し，国（の環境大臣）や福島県がクレームをつけている。県の作り話であろうが，福島県に対して県民からマンガに対する抗議のメールが届いているという。
　ここで，福島県民は選択する道を誤ってはならない。これが最後の機会であろう。不安なことやいやなことに目をふさいでどうなるというのか。損をするのは福島県民である。正確な調査や検査を国に要求しようではないか。その結果，福島県の土壌に高濃度の放射能があるのであれば国か東電にそれを取り除いてもらう。体内の放射能を正確に検査してもらい，将来のために記録を残してもらおう。米袋の上から放射能をはかるようなおもちゃ箱検査器ではなく，正確な検査による農産物の放射能検査を行ってもらって高濃度放射能が検出されたら出荷せずに国か東電に賠償してもらおう。それが正常な姿である。今のごまかしの状態では，実は福島県民は精神的にも肉体的にもつらいのではないだろうか。もちろん，国やその息のかかった大学，研究機関，そして福島県（庁）による放射能検査では駄目である。放射能がないことにしたい者が検査をしても，放射能が検出されるわけがない。正確な検査をする唯一の方法は，海外の国際的な機関に依頼をすることである。
　それからもうひとつ，国（マスコミ，学者を含む）は仕方がないとして，犠牲者である一般の国民は自ら『風評』などという言葉を使ってはいけない。みんな，冷静に考えてもらいたい。不正の無い厳密な調査や検査をおこなったうえでなければ，風評かどうか断言できないではないか。あたりまえの話である。わけのわからない使い方を被害者自らがおこなって，何を目指そうとするのか。国の術中に，はまってはいけない。