ソチオリンピックの女子モーグルに出場していた上村愛子さんが4位に終わった。今度で5回目のオリンピック挑戦であったが,1度もメダルを手にすることはなかった。今回金メダルを取るならいいが,銅や銀メダルならば,4位でよかったように思う。彼女の実力に見合わない中途半端なメダルを取るよりよりも,「無冠の女王」のほうがかっこよいではないか。
彼女は,過去のオリンピックで,ものすごいエア(空中回転技)を行なったが,高得点をもらえなかった。ターンも難しい技術をマスターしてきれいに速く滑った年もあったが,それでも高得点はもらえなかった。そして今回のソチオリンピックでは,最後の選手はコブにはじかれ大きく足を開いてバランスを崩し,タイムでも上村さんに負けていた。それでも上村さんより高得点をもらって3位にくい込んできた。モーグルの採点は厳格な客観性がなく,審判員の気分や偏見,試合全体の流れ,盛り上がりなどによって,点数が上下するような競技なのであれば,べつにメダルにこだわる必要はないだろう。
試合後上村さんは,すがすがしい気分だと話していた。彼女もここ数年でこのことに気が付き,精いっぱいやって楽しめればそれでよい競技なのだと自覚したうえで臨んだオリンピックではなかったのだろうか。彼女が,エア,ターン,スピードのどれをとっても世界一の技術を持っていると私は思っている。
20年間,本当にお疲れ様でした。