放射性廃棄物の最終処分場を巡って,言葉遊び,詭弁合戦が繰り広げられている。
 放射性廃棄物の中には,安全なレベルまで放射能が減るまでに10万年かかるというプルトニウムも含まれている。10万年の間に、容器は腐食して中の放射性物質は外部に漏出するとのことだ。だから欧米では地下水がなく地層が安定しており,かつ人が近くに住んでいない場所を最終処分場に選択しているという。しかし土地そのものが狭い日本には,そのような場所はない。嘘や言葉巧みに国民をだまして,どこかに処分場を決定したいという自民の思惑は達成できるだろうか。小泉元総理の言う通り,日本には処分場が無いのだから原発廃止という意見に私は賛成である。
 それはともかく,私が今回強く感じたのは,良し悪しは別にして10万年という途方もなく長い期間,周囲に影響を及ぼす人工物(プルトニウム)を作り上げた人間ってすごいなあということであった。そしてもう一つ,ひとたび想定外のことが起きるとコントロールができなくなってしまう代物を利用してしまう愚かさ,命を賭けてまで使おうとする昆虫並みの能力に驚きを感じた。この,人間のファジーな能力が恐ろしくもあり,素晴らしくもあるのだろう。どちらに向かって進むかは,後天的な学習にかかっている。