毎日,全国のホテルやデパートのレストランで,食材の表示偽装に対する謝罪がおこなわれている。「ごめんなさ~い」の一言で,これまで長年にわたり不特定多数の人々をだまして品質の落ちるものを高値で食べさせ暴利をむさぼってきた罪が消えることになるのだろうか。この一言で多額の利益を得られるなら,確信的に詐欺行為を行う方を選んだこともうなずける。そして今後も,次にばれるまでの数年間(数十年間?)もまた同じことをする道を選ぶだろう。信用を失ったなどと言われるが,現実的にはそんなことはない。数か月後にはお客さんはこれまでと同じように訪れるはずだ。
 レストランやデパートだけではなく,スーパーで売られている米や栗,そば粉,大豆など,ほぼすべてのものが産地偽装をされているのだろうと私は思っている。正しく表示をして利益を少なくするメリットが業者側にはないからだ。もしばれて公になった時には,例の「ごめんちゃーい」の一言で済むだろうし,ありがたいことに国民もすぐ忘れてくれる。時々,業務改善命令が出されるケースもあるが,これは「今までのことは帳消しよ!これからはこうしてね」というものだ。これからも,そして今までもどうすればよいかわかっていてやっている人に,お役所は何を言っているのか。笑い話である。
 日本に蔓延している産地偽装,食材偽装をなくすための方法は1つしかない。あたりまえだが,詐欺行為によって得られた利益+罰則金を徴収したうえで無期限業務停止にすれば,誰もやらなくなる。これについて「厳しすぎる」という批判も,また笑い話になろう。間違っても,道徳の時間を増やしたり「道徳」を教科に格上げしたりすればよい等といった的外れな対応だけはやめてもらいたい。