JR横浜線で,踏切内で倒れていたおじいさんを助けるために,40歳の女性が警報のなっている踏切内に入り,電車にはねられて亡くなった。とても悲しい事故であった。
テレビでは,自分だったら同じ行動をとれるかという街頭インタビューが放送されていた。自分だったらできないとか,自分も助けに行きたいとか,娘には見て見ぬふりをしないよう教えたとか,自分の子どもや孫たちに同じようにしなさいとは言えないなど,様々な意見があった。しかし,皆に共通していることは,亡くなった女性の行動は立派で崇高なものであったということだろう。
私自身のことを述べると,自分の命と引き換えに他人を助けるという道をとらない。自分の命を守る,自分自身のことを大切にする(わがままであれという意味ではない)ということが,人間にとっての基本であると思うからである。その上にたっての思いやりであり,助け合いがある。
他人の命も大切であるが,自分自身のたった一度の人生や家族のこと等を総合的に考えると,それ以上に自分の命が大切である。他人の命を守るために自分の命を軽く捨ててしまう行為は,道徳的にも社会的にも人間の存在意義からも間違いであろう。もう一度確認するが,1番大事なのは自分の命,次が他人の命である。同等であってはならない。
今回の事故が原因で,後追い自殺まがいの人が出ないことを祈るばかりだ。