橋下大阪市長が,「慰安婦はよくなかったから世界中で反省しよう」とか,「風俗はよくない」などと発言している。
 なぜ慰安婦がよくないのだろう。なぜ風俗が悪いのだろう。皆がそれぞれ異なる定義づけをしているから,言い合いになってしまうのである。相手を非難をしようとしたり議論を始めようとする時には,まずお互いに言葉の定義の確認をすることが鉄則である。そうしないと不毛な言い合いで終わってしまう。
「戦時中」の慰安婦について,国でも業者でもいいのであるが,そのような仕事(正当な給料を支払う)の募集をかけ,希望者を雇用していたことについて,なんら問題はない。仮に無理やり連れてきて仕事につかせたり,不当に安い給料しか払わなかったりしたとなれば,それは当時でもよくないことであったかもしれない。しかしあくまでもそのようなことがよくないことであり,当時慰安婦制度が悪いという論理にはならない。また,慰安婦というのは本番行為が伴い,今でいう売春にあたるのだろう。しかし,今の時代の法律や価値観,今の平時の状態を基準にして,時も場も価値観も法律も状況もすべて異なる過去の出来事について「よい」「わるい」ということも無茶な話である。現在の法律や道徳的行動も,100年後から見ればもしかしたらめちゃくちゃに映るのかもしれない。
「風俗」の定義であるが,日本における風俗店は,基本的には(一部のソープを除き)本番を伴わない性的サービスのことである。アメリカ人は自国の状況を基準にして日本を見るから,日本における「風俗」を誤解してしまうのである。日本では,風俗は売春ではない。
 世界の人々が橋下氏の発言によって日本を非難しようとしているならばそれは頓珍漢なことである。世界中の国々に他意がないのであれば,世界各国は韓国と中国2国のウソ宣伝に踊らされて,おかしな行為に走らないことを望む。