ネットでニュースを見ていたら,次のような記事が掲載されていた。
①『福島以外でも続く、風評被害との戦い。 東京電力福島第1原発事故で、安全性が確認されたのに農水産物が売れない「風評被害」がいまだ課題です。』
②『福島原発から首都圏までとほぼ同じ距離離れた岩手県の漁港でも、影響は残ります。』(首都圏では放射能の影響はないのに,同じ距離にある岩手の海では放射能があると言われ,岩手の人は困っているということ)
まず①であるが,「安全性が確認されたのに…」という前提に誤りがある。産地偽装をしている仲介業者や検査をごまかしている農家,ごくわずかなサンプル調査で広範囲かつ大量の農産物や魚介類を安全と宣言する自治体,新潟県産と書かれた米袋を大量に福島に運びそれに福島産の米を詰めている犯罪者たち,そしてそれを知って見逃す警察や政府。国民が口にするものすべての物の安全性(あるいは信頼できる調査による安全性)は確認されていない。市場に出回っている農産物や魚介類の放射線量を心配することは,決して風評ではなく,適切な判断ができる一部の国民によるあたりまえの行動である。
②では,「福島原発から首都圏までとほぼ同じ距離の岩手県の漁港でも影響は残ります」と言われるのは困るというが,放射線量の高さは原発からの距離ではなく,3月16日と21日にプルームがどのように移動したかによることは,今となっては常識と言える範囲のことである。いや,それ以前に首都圏でも大量の放射能が降ったし,福一からは高濃度汚染水を大量に海に放出したので首都圏の陸地と岩手の海の比較は適切ではない。
あの事故からもう2年も過ぎているのだから,感覚的に「風評被害が…」とか「岩手県の海は安全」などと軽率に口にすることはやめようではないか。もう,うんざりである。
そろそろ本格的に,国民の信頼を得られる調査を始めてもよい時期であると思う。そして,農産物でも魚介類でも,(みんな口をつぐんで泣く泣く食べてあげるのではなく)放射線量が高いものは市場には一切出さず,買ってもらえない分の農家や漁師さんたちの損害は東電と原発を推進した政治家たちの財布(決して税金ではなく)から出すのが筋である。
いつまでもごまかしはきかない。
ちなみに,東北の果物は去年あたりから危なくなっている。地面に降ったセシウムが実に移り始めるからだ。しかし,だれが今スーパーで売られている東北産のリンゴやナシ,ぶどうなどのセシウムを検査しているというのか。栽培している各市町村で,わずか数カ所のごくわずかな果物を検査をしただけで広範囲で育てられている果物全てにお墨付きを与えている(仮に基準値以上のセシウムが見つかれば,そのサンプルをどのようにし,次にどのようにするかは想像できよう)。米を袋ごと検査をする放射能検査器がニュースで取り上げられていたが,そのおもちゃのような箱を見て笑ってしまった。もしそれで本当に検査ができるなら,学校給食で出される野菜などもその簡素なおもちゃ箱を使えばよい。
もちろん農家や自治体にしてみれば大量の果物や米を捨てるわけにもいかないだろう。しかし,放射能が高ければ捨てるしかない。それはだれも異論がないはずである。異論があってはいけないことだ。だから次にどうするか。何の責任もない農家を犠牲にしない,将来危険性が懸念される程度(世界が認める数値)の放射能を国民に摂取させないというあたりまえのことをおこなうためには,捨てた分のその損害を加害者である東電と原発を推進してきた人々が払うという構図になる。
だが現実的には東電と数百人の政治家だけのお金で,きちんと検査をした場合に廃棄される農産物や魚介類の補償はできないだろう。そうなると,責任が取れないことはしない,原発は利用してはいけないという結論に至る。
また,お金の問題だけではなく,取り返しのつかない事故を起こさないためにも原発利用はまずい。安倍総理が海外に出かけて,日本の原発の安全性をうったえて原発の建設受注を勝ち取ろうと必死であるが,アポロ13号であろうと,スペースシャトルであろうと,コンピューターであろうと,ジェット旅客機であろうと,そして原発であろうと,人間がつくったもので壊れない物,事故を起こさない物はない。どんなに機械を点検しようとヒューマンエラーや想像できない多種多様な外的要因による突発的事故(ネズミや氷,水漏れ,風,自然災害,ショートなどによる機械の故障)は日常的に起きる。だから起きても決定的被害を受けない物しか人々は造ってはいけないし,利用してはいけない。安倍総理はにこやかに自信満々の顔で「自らがトップセールスマンとなり…」などと話していたが,彼は思慮深くないし,広い視野で物事を考えられないおっちょこちょいな所がある。賃金が上がらないでアベノミクスが崩壊し,日本では失敗した原発推進を今度は世界でおこなおうとし(今後も世界中で原発がつくられることは避けられないが,原発事故を起こした日本として世界に訴え続けることがあるだろう),日本や世界をめちゃくちゃにして自分ではどうしようもできなくなったら彼はさっと辞任するのだろう。私は彼のはったりの笑顔を見るたびに,前回の辞任会見の時の絶望的な顔が重なって見えてしまうのである。
①『福島以外でも続く、風評被害との戦い。 東京電力福島第1原発事故で、安全性が確認されたのに農水産物が売れない「風評被害」がいまだ課題です。』
②『福島原発から首都圏までとほぼ同じ距離離れた岩手県の漁港でも、影響は残ります。』(首都圏では放射能の影響はないのに,同じ距離にある岩手の海では放射能があると言われ,岩手の人は困っているということ)
まず①であるが,「安全性が確認されたのに…」という前提に誤りがある。産地偽装をしている仲介業者や検査をごまかしている農家,ごくわずかなサンプル調査で広範囲かつ大量の農産物や魚介類を安全と宣言する自治体,新潟県産と書かれた米袋を大量に福島に運びそれに福島産の米を詰めている犯罪者たち,そしてそれを知って見逃す警察や政府。国民が口にするものすべての物の安全性(あるいは信頼できる調査による安全性)は確認されていない。市場に出回っている農産物や魚介類の放射線量を心配することは,決して風評ではなく,適切な判断ができる一部の国民によるあたりまえの行動である。
②では,「福島原発から首都圏までとほぼ同じ距離の岩手県の漁港でも影響は残ります」と言われるのは困るというが,放射線量の高さは原発からの距離ではなく,3月16日と21日にプルームがどのように移動したかによることは,今となっては常識と言える範囲のことである。いや,それ以前に首都圏でも大量の放射能が降ったし,福一からは高濃度汚染水を大量に海に放出したので首都圏の陸地と岩手の海の比較は適切ではない。
あの事故からもう2年も過ぎているのだから,感覚的に「風評被害が…」とか「岩手県の海は安全」などと軽率に口にすることはやめようではないか。もう,うんざりである。
そろそろ本格的に,国民の信頼を得られる調査を始めてもよい時期であると思う。そして,農産物でも魚介類でも,(みんな口をつぐんで泣く泣く食べてあげるのではなく)放射線量が高いものは市場には一切出さず,買ってもらえない分の農家や漁師さんたちの損害は東電と原発を推進した政治家たちの財布(決して税金ではなく)から出すのが筋である。
いつまでもごまかしはきかない。
ちなみに,東北の果物は去年あたりから危なくなっている。地面に降ったセシウムが実に移り始めるからだ。しかし,だれが今スーパーで売られている東北産のリンゴやナシ,ぶどうなどのセシウムを検査しているというのか。栽培している各市町村で,わずか数カ所のごくわずかな果物を検査をしただけで広範囲で育てられている果物全てにお墨付きを与えている(仮に基準値以上のセシウムが見つかれば,そのサンプルをどのようにし,次にどのようにするかは想像できよう)。米を袋ごと検査をする放射能検査器がニュースで取り上げられていたが,そのおもちゃのような箱を見て笑ってしまった。もしそれで本当に検査ができるなら,学校給食で出される野菜などもその簡素なおもちゃ箱を使えばよい。
もちろん農家や自治体にしてみれば大量の果物や米を捨てるわけにもいかないだろう。しかし,放射能が高ければ捨てるしかない。それはだれも異論がないはずである。異論があってはいけないことだ。だから次にどうするか。何の責任もない農家を犠牲にしない,将来危険性が懸念される程度(世界が認める数値)の放射能を国民に摂取させないというあたりまえのことをおこなうためには,捨てた分のその損害を加害者である東電と原発を推進してきた人々が払うという構図になる。
だが現実的には東電と数百人の政治家だけのお金で,きちんと検査をした場合に廃棄される農産物や魚介類の補償はできないだろう。そうなると,責任が取れないことはしない,原発は利用してはいけないという結論に至る。
また,お金の問題だけではなく,取り返しのつかない事故を起こさないためにも原発利用はまずい。安倍総理が海外に出かけて,日本の原発の安全性をうったえて原発の建設受注を勝ち取ろうと必死であるが,アポロ13号であろうと,スペースシャトルであろうと,コンピューターであろうと,ジェット旅客機であろうと,そして原発であろうと,人間がつくったもので壊れない物,事故を起こさない物はない。どんなに機械を点検しようとヒューマンエラーや想像できない多種多様な外的要因による突発的事故(ネズミや氷,水漏れ,風,自然災害,ショートなどによる機械の故障)は日常的に起きる。だから起きても決定的被害を受けない物しか人々は造ってはいけないし,利用してはいけない。安倍総理はにこやかに自信満々の顔で「自らがトップセールスマンとなり…」などと話していたが,彼は思慮深くないし,広い視野で物事を考えられないおっちょこちょいな所がある。賃金が上がらないでアベノミクスが崩壊し,日本では失敗した原発推進を今度は世界でおこなおうとし(今後も世界中で原発がつくられることは避けられないが,原発事故を起こした日本として世界に訴え続けることがあるだろう),日本や世界をめちゃくちゃにして自分ではどうしようもできなくなったら彼はさっと辞任するのだろう。私は彼のはったりの笑顔を見るたびに,前回の辞任会見の時の絶望的な顔が重なって見えてしまうのである。