今海援隊がテレビで「贈る言葉」を歌っているのを聞いて思ったのだが,皆さんは「3年B組金八先生」の腐ったミカンの方程式の回をご覧になったであろうか。金八先生が命がけで加藤優を警察や学校管理職たちから守り,最後は加藤をなぐった後(これを暴力とか文科省定義で体罰というらしい),泣きながらお互いに抱き合うという話だ。今の風潮からいうと,金八先生は暴力をふるったことで処分を受ける対象となる。おかしいだろう。無条件で「たたくこと=悪」ということには,どうしても無理がある。

 それからもうひとつ。加藤優のような子どもは,戦前や戦時中にいたであろうか。友達に暴力をふるったり,教師に悪態をついたり,机に足を乗せて授業を聞いたり,放送室を占拠したり,校舎のガラスを割ったりするような子どもは,おそらく一人もいなかったであろう。それはなぜか。学校の先生が怖い存在であり,父親は威厳があって厳しく,そして強く叱ってくれる大人達が近所にいたからだ。子どもが加藤のようなことができる環境ではなかった。その中で育つから,そのようなことはいけないと学んだし,身にもついた。もちろんそれで自殺をする人も,おそらくゼロかそれに近いものであっただろう。それは,家庭教育,地域教育が甘えや逃げ(逃げは自分ができないことを他人のせいにすることにつながる)を許さずしっかりしていたからだ。

 何が間違いであり,どの部分をこれから強化していかなければいけないのか,見誤ってはいけない。