榛名湖のセシウム

　高崎市の榛名湖で先月採れたワカサギから国の基準の３倍以上のセシウムが検出された。榛名湖に住んでいた魚からそれ程のセシウムが検出されたということは，いまだにものすごい量のセシウムが榛名湖全体にあるということになる。
　榛名湖の水は我妻川として流れだし，我妻川は関東の水源である利根川に合流する。利根川にある浄水場はどうなっているのだろうか。もし国の基準を超えるセシウムが水道水からでたとしても，水道水は飲まないでくださいとは言えないだろう。水道水が使えなければ，多くの人々が生活できなくなくなるのだから。２年前，葛飾区の浄水場でセシウムが検出され，２日間ほど水道水が使えなくなっただけで，全国からミネラルウォーターが消えたこともあった。仮にセシウムでもストロンチウムでも，もし水道水に含まれていたとしても飲むしかない時代になってしまった。脅すわけではないが，多くの専門家が４号機プールはもう終わりだという。経済よりもまず先にやることがあるように思うのだが…。
　２年前の福一事故後，政府は地震学者や原発研究者などは排除し，宗教家や哲学者などを集めて今後の日本の在り方を検討した。その時が未来ある日本の最後のチャンスだと思ったが，のど元過ぎれば…で，今は以前にもまして経済一色となり，軍事大国に突き進んでいる。日本は戦争で負けて滅びるのが先か，それとも放射能で滅びるのが先か，いずれにせよあまり明るい未来は描けない。