「原発ゼロ」目標はダメ？

　自民党は，民主党が掲げた「２０３０年代の原子力発電稼働ゼロ」目標を白紙に戻すとのことだ。石原環境大臣も「原発稼働ゼロは現実的ではないと批判している。このような自民党の原発に対する考え方は選挙前からうったえられていた。当然国民も承知の上で自民党に投票したはずだ。民主の目標が無くなり，これで国民は満足したことだろう。自民党は自らを「以前と自民党は変わった」と繰り返すが，この３年間自民党を見てきて何が変わったかわからないし，目立つような役に立つ行動もしなかったし，民主の悪口や足を引っ張ることばかりを繰り返してきた。３年前以上に嫌な政党になったと思う。
　話を原発に戻すが，民主は原発ゼロを目標とし，自民は目標をゼロにするのは嫌だという。目標はあくまで努力目標であって，将来のことなどだれにもわからない。つまり政治家の言う「目標」というのは，結果に至るまでの過程の努力や意志の度合いを公表したものである。重要なことは，２位を目指していて１位を取れるはずもないということだ。「今後の新しいエネルギー開発や政策には一応取り組んでみる」という自民の目標に，私は反対である。さすが，原発を数十年推進してきた党だけある。もう１回，今度は西日本で大きな原発事故が起きて，東も西も農産物や魚介類が放射能でだめにならなければ，自民党の政治家たちは「原発ゼロ」を目標としないのだろう。
　今回の選挙で，自民党と国民の願いは一致していることが理解できた。そうであれば，私が生きている間に東海地方の大地震や直下型地震によってどこかの原発が崩壊しないことを祈るだけである。