宮城で,大漁まつりが2年ぶりに開かれているそうだ。地元の魚やワカメ,貝などが販売されているという。
「被災地を応援しよう」というスローガンのもと,福島やその近県の農産物や海産物をもっと食べるように地元の自治体やマスコミ,政治家は訴えているが,被災地を応援するために多くの国民が命や健康という幸せを失うことは誤りである。昨年,原発から海に半減期が数十年の高濃度放射能が大量に放出され,それが太平洋沿岸に広がって海底に沈んだ。現在は冷却水を循環しているというが,海に漏れることなくすべてが循環されているかも疑わしい。そこで育ったワカメや貝,魚はすべて放射能検査をされているのだろうか。答えはNOだ。もちろんすべての海産物が放射能に汚染されているとは私も思わないが,汚染されている物も必ずある。汚染されている物と汚染されていない物があるのである。それなのに少し検査をして汚染されていないからと言って,すべてが安全だからすべて安心して食べてくださいという論理はおかしい。検査をして安全だったものだけが安全なのである。
 このようなことを書くと,被災地の人々がかわいそうだと批判を受けそうであるが,被災地の人々が家や土地,仕事を突然奪われ,苦しい生活を強いられていることに対し,私も怒りを覚えている一人である。しかし,だからといって「日本国民みんなで放射能汚染物質を食べてあげよう」などとは思わない。そんなことをしてもたいした援助にはならないし,日本人の将来の健康が危うくなってしまう。私は「放射能汚染物は厳しく取り締まり,東京電力の資金と税金(復興予算)を使って被災地にいる人々に対し原発の影響で受けた被害(仕事や家,土地など)を適正に補っていこう」と主張したい。
 ロシアを見るとわかるが,多くの放射能を体に摂取し続けることは非常によくない。中年以上の人々はよいが,将来のある若者や子どもたちには東日本の農産物や海産物を与える時には十分気をつけてもらいたい。先日,長野県のきのこから基準値越えのセシウムが埼玉でみつかった。これは,長野できのこを購入した埼玉県民が,地元の自治体が無料でやっている食物の放射能検査に持ち込んで発覚したものだ。セシウムの汚染範囲は想像以上に広範囲,長期間にわたっている。土からセシウムが吸収される今年の果物がとても危ないと専門家は注意を促しているが,実際どれほどの果物が放射能検査を受けているのだろうか。
 被災地の応援の仕方について,国民もマスコミも政治家たちも再考する必要がある。