福井県知事の願い

　大飯原発の再稼働GOの総理記者会見を受け，福井県知事「総理の強い思いを国民に向けて語っていただいたものと重く受け止める」「県としての判断をさせていただく」などと発言した。
　日本の総理が国民に向けて語ることが重いことなのだろうか。少し前にも何かについて野田総理が国民に向けて語った記憶があるが，あまりにもどうでもよいことだったので内容はわすれてしまった。ただ自己保身のための会見だなあという印象を持ったことだけは覚えている。
　国民は，総理や官房長官をはじめ民主党や自民党などの政治家たちを信用したり頼りになると思ったりしたことなどまったくない。むしろ総理や官房長官が国民に向けて語る場合，原発事故後のことが思い出され，よほど大きなごまかしを言うんだなあと笑いさえ出てしまう。
　福井県知事は地元の利益のために原発を動かしたくてたまらなかったが全国からの批判が怖く，総理にすがったのだろう。腐っているのは中央の政治家だけではないようだ。しかし，大飯原発が事故を起こして福井県（の国土や県民の健康など）がだめになった時，県民は知事のせいにしてはいけない。そのような知事を直接選挙で選んだのは福井県民であり，被害の大きさまで分かったうえで「原発」を受け入れて恩恵（補助金や仕事）を受けるからである。もし福井県民が本気で原発反対なのであれば，今からでも知事の考えを改めさせる方法はいくらでもあろう。