大飯原発の再稼働について,野田首相が「最終的に首相である私の責任で判断したい」と述べた。嘘を言ってはいけない。もし事故が起きた場合,一人の人間が責任を取れるような話ではないのである。
 責任を取るということは,事故が起きて放射能が滋賀や京都,大阪などに降り注いだ時に時間を戻して元の状態に戻すか,事故による様々な被害(健康や仕事,農産物や漁業被害,除染等々)の補償(数兆円?)をするかのどちらかしかない。どちらにしても総理であろうと誰であろうと絶対に無理な話である。
 もしかしたら,野田氏は総理をやめることで責任を取ろうというつもりか。国民にとってどこかの一老人の職が何かに変わろうと,自分の健康や失った仕事,浴び続け食べ続ける放射能とはまったく関係ない。だから,むしろ総理を続けていてもらってもまったく構わないくらいの話なのである。
 責任を取れない人が「責任は私にある」とか「私の責任だ」,「私の責任で云々」などと口にすることは恥ずかしいことと自覚したほうがよい。