長崎の「長崎県被爆者手帳友の会」会長が,長崎市被爆者5団体は東日本大震災のがれきを市で受け入れることに反対していくと述べた。「がれきは地元処理が原則だ。放射性物質が降り注いだ危険性のあるものを分散させるべきではない」との意見で一致したらしい。同席していたある市議は記者団に「被爆の苦しみはよく分かっている。今まで苦労した分、発言する権利がある」と話した。
「地元がれき処理の原則」?は地元だけなら100年かかる場合でも適応されるのか。前提が間違っている。
 降り注いだ危険性があるのではなく,実際に降り注いだのである。そして九州大分をはじめ,世界中に。ただ,その量は地域によって異なる。放射能検査をして,放射能値が低いことが確認されたがれきだけをお願いしているのである。それについて「分散させるべきではない」といってほんの少しの助けもしないならば,長崎以外の日本の国民も長崎での原爆被害者のことを一切助けたりすることはないだろうし,今後長崎で何かが起こって困っていても,手は貸さないだろう。
 長崎のある市議は「発言する権利がある」などと話してる。発言する権利は誰にでもあり,実際に瓦礫受け入れを拒否している市町村は日本中にけっこうある。発言など自由だ。このようなごまかしの論理(自分の主張を正当化するための適切でない論理)はダメである。さらに,仮に発言する権利が被爆した長崎(と広島)だけにあるとすれば,発言内容が逆であろう。
 はじめから最後まで,すべてがおかしい。