福島から避難した幼い子供が近隣の住民から公園で遊ばないように言われ,さらに保育園からも入園を拒否されたという。このような話は多数ある。避難した子供の近くに寄った他の子どもに被害を及ぼすほどの内部被ばくをしていたら,すでに当人に何らかの症状が出ているだろう。
 多くの国民がこのような露骨な差別をするようになったのは,テレビや新聞からの(誤った,あるいはゆがんだ,あるいは偏った,あるいは誤解を生む)情報によるものである。だから新聞社やテレビ局に,福島の人への差別の意識を国民の脳から消す責任がある。できるだろうか。いや,やる気はあるだろうか。それ以前に,自分たちのやっていることが認識できるだろうか。
 新聞社やテレビ局のやっていることというのは,実は結果的にこのようなことが多いのである。正義感ぶったり公正公平を口にしたり自分の仕事にプライドを持ったりすることは厳に慎むべきである。