浪江町の採石場の石材を使用したマンションなどから高い放射能が出たことについて、石材の流通を防げなかったのは国と県の対応の甘さがあったためということだ。原発近くの採石場ならば放射能がたくさん降っていることは誰にでもわかることである。ニュースでインタビューを見ていると採石やその販売にかかわった会社の人々は驚いたふりをして「思いもよらなかった」「信じられない」と異口同音に答えている。本当に悪い人たちだなあと思う。
 このような状況は採石場の石材だけではなく,現在は小麦やイクラ,魚,加工食品などほとんどの放射能汚染品の販売が「確信犯罪」であろう。いつか高い放射線量が公になり,政府はマスコミに圧力を加えて必死にその情報を抑え込み,それでも無理な時には「対応が甘かった」「想定外だった」と言って済まそう,それまでは何でもどんどん流通させろとの考えが政府にはあるだろうし(被災地の産業や人々の仕事を守るために),国民の思いもそうなのかもしれない。
 しかし被災地を応援する,被災者を支えることと,一般国民が放射能を浴びてあげることは分けて考えるべきだと思う。一般国民にもそれぞれの人生があり家族がある。そして子や孫もできる。放射能には目をつむってろくに検査をしない米や野菜を食べたり,木材や石材などを使い,放射能を自分に取り込んであげることで福島を助けようというのは,総合的に考えると間違った援助の仕方ではないだろうか。
 場当たり的,詐欺的なごまかし援助ではなく,もっとまじめに効果的かつ長期的な援助の方法をみんなで考えていきたいものである。