福島第1原発の原子炉が冷温停止状態になったと野田総理が宣言をした。溶け落ちた核燃料は圧力容器を突き抜けて下のコンクリートにたまって侵食しているという状況では,何も入っていない原子炉内の温度が100度以下になっていないと逆におかしなことになる。むしろ十数度の温度になっているということは温かい水蒸気などが下(核燃料が溶け落ちているコンクリート部分)からあがって原子炉内に入っているとも考えられる。つまりコンクリート部分に固まってある核燃料はまだ熱を発し続けている可能性もあるということだ。
 野田総理は,工程表のステップ2を守ることができたということを言いたかったのだと思うがそこにプラスの面はなく,まだウソやごまかしを言っている,この先も真っ暗だ,不安だという思いを国民に持たせ,海外の専門家やメディアには日本政府も他国の政府同様にやっぱりうそを言う国だった,日本だけが世界の理想郷で道徳的に立派な国というのは間違いだという報道をされる結果にしかならない。野田氏はどのようなプラスの面を見出して発表をしたのだろうか。
 そもそも,工程表を無理やり作って国民に発表している意味が私にはわからない。東電や政府がステップ1に何を書き,ステップ3に何を書こうと,それがどうだというのか。これまでを見ても,政府にウソをつかせ国民をごまかす結果にしかなっていない。不思議だ。工程表などどうでもいいから,福島原発については可能な限り急いで安全な状況まで持っていき,最低限北は岩手の平泉から南は静岡までの徹底した放射能検査と除染を行い,魚介類や農産物の放射能規制値をもとの値に戻して流通を管理し,被爆した人々の健康と福島県から避難している人々の…,やめた。政府に何を言ってもやるわけがない。政府と東電と御用学者にはステップ3しか目に見えておらず,定期的に細野原発大臣がテレビに出てきて「率直におわびを申し上げる」と繰り返して国民の怒りを操作することしかできないであろう。おわびをするようなことをし続けていることが問題であって,口でごめんなさいと言えば何でも許されると思ったら大間違いである。「細野氏よ,ふざけるな!」と言いたい。
 世界の研究機関や学者たちにお願いしたい。今の日本の状況,政府の態度をどんどんたたいて,どうかこの愚かな日本を救ってもらえないだろうか。日本(政府)は,国民のことを徹底して馬鹿にするが,外国人の発言にはとても弱いのである。