国は今回の福島第一原発の事故に伴って3月から4月にかけて大気や海に放出された放射能量を夏ごろ発表したが,その数値などは当然ウソである。国は原発を推進してきた加害者であり,しかも3月よりずっと嘘とごまがしばかりおこなってきた菅内閣当時のものであった。正確な数字であることは100%ない。
 私は,国がどこまでずうずうしく少ない数字を発表したのかをずっと知りたいと思っていたのだが,このほど信頼できる機関が福島第一原発からの総放出量を発表した。
 まず大気への放射能放出であるが,北欧の研究者が世界の核実験監視網での観測データなどを分析した結果,日本政府の推計の2倍を超える可能性があることを英科学誌「ネイチャー」に発表した。2倍となると,これまで政府や東電が発表してきた東日本各地の放射線量値はどのくらい上がることになるのだろうか。
 また海への放射能放出であるが,フランスの研究機関(放射線防護原子力安全研究所)が福島第一原発の事故で海に流出したセシウム137の総量について、東京電力(=保安院=国)が発表した数値の30倍近くになるとの報告書を発表した。日本政府は30分の1まで少なくして発表していたのか。思い切ったものだ。その度胸に対して「あっぱれ!」をあげたいと思う。