福島第一原発の吉田所長は,全電源喪失後に1号機の非常用復水器を運転員が意図的に3時間停止させていたことを自分が把握できなかったことが「大きな失敗だった」と話している。
 2号機,3号機については,震災発生後に適切な対応が取られていれば、炉心損傷に至る確率はどちらも約12%しかなかったとする解析結果を宇都宮大の松岡客員教授が発表している。

 東電は、福島第1原発の1号機が地震や津波に襲われたあとに行った運転操作について、「想定を超える部分以外では、問題がなかった」とする報告書をまとめ,今日の記者会見ではあらためて「現場の状況などから、操作状況は問題なかったというふうに、私どもとしては考えている」と念押しをしていた。2号機と3号機についても来週中に報告書を提出するという。
 東電は死ぬまで自らの対応の失敗を認め反省をすることはないだろう。いや,現在の幹部が死んだとしても,次の幹部がこの意志を貫き,永遠に体質が変わることはないように思う(これほどの大事故が起きた直後でさえこのような態度であるなら,皆が痛みを忘れかける将来においては東電はウソや詭弁を使い,むしろ攻撃に転じるのが自然である)。
 九電の体質についてこのブログで書いた時にも述べたが,原子力発電所が大事故を起こすと人々や環境に及ぼす被害は原子爆弾などよりはるかに甚大である。原発がなくなるまでの短期間であったとしても,九電や東電だけではなく全国の電力会社を国営化し,責任をもって国が原発を管理したほうが少しは安全のような気がする。原発についての安全な技術力も管理・運営能力もない上に,嘘や詭弁ばかり言い,責任転嫁と開き直りの態度を貫いているただの悪い一民間会社に,何発分もの原子爆弾をもたせておくことなどあってはならないことである。