玄海原発が先日自動停止した原因は、補修中の作業員が開閉弁を開放したことによる人為ミスであることがわかった。
東日本全体に被害が及んだ福島原発の大事故後であるため,慎重の上にも慎重に作業を行っていたことであろう。作業員のすぐ横には九州電力の担当者もいて作業を見守っていたとのことだ。それでもミスが起きた。しかし,ミスが起きることはあたりまえのことだ。絶対にヒューマンエラー(人の勘違いやミス)をなくすことはできないのである。それは人数でカバーできるものでもない。以前飛行場の管制塔にいた十人近くが同じ勘違いをして滑走路上で飛行機が衝突しそうになったことがある。勘違いとはそういうものである。
地震や技術面のほかに,簡単に大事故につながってしまうヒューマンエラーもあるから,事故が起きると数十年間大規模な被害を与える原発は危険なのである。新エネルギーが定着するまでの十数年間,経済が後退したり生活が不便(本当は不便ではないのであるが)になったりしたとしても,今度は西日本で2度目の原発大事故を起こして30年ほど日本全体が立ち直れなくなることを考えると,選ぶ道は見えるはずだ。先のことを考えずに目先のえさに飛びつく愚かなことはやめたほうがよいと思う。