「５０００年に１回」はマンガの世界

　東京電力が，このほど福島原発１～３号機で再び炉心が損傷する確率は約５０００年に１回とする試算結果を公表した。事故前の試算では１０００万年に１回であったので，２０００倍も高くなったとのことだ。
　１０００万年に１回が起きたので，あと１０００万年間は炉心溶融がないということではないのだろうか。いや福島原発ができてから１０００万年たたずに１回目の炉心損傷が起きたこと自体がおかしなことだ。
　状況に応じて○年に１回というのがコロコロ変わったり，その通りにもならないのであるならば，それを計算する意味もない。それにこの巨大な数字がまるでギャグマンガの世界だ。誰でもが笑ってしまう。何千万年や何千年ではなく，せめて数百年でいいだろう。実際に十数年おきに世界のどこかで起きているのだし…。
　まじめにいえば，再び炉心が損傷（再溶融）する確率など，１年に１回未満かも知れない。福島原発の下で直下型地震が起きても終わりだし，再び海溝地震が起きて大津波が来た場合に福島原発敷地内の電源喪失や破壊がどの程度になるかもわからない。「５０００年に１回」まで引き上げたとしても，このどでかい数字を恥ずかしげもなく言えるというのは，ふざけているかバカかどちらかとしか思えない。想定外（起こってほしくないこと）をすべて除外して計算していても何もならないだろう。