埼玉県朝霞市の公務員宿舎建設について,野田総理は数日前の国会で建設工事のゴーサインを出したのは自分で変更するつもりはないと答弁していた。しかし昨日,わずか数日で建設の凍結を発表した。なぜこんなにも簡単に自分の考えや国の方針を変えるのだろうか。世論や野党が反対したからということだろうが,そんなことは初めからわかっていることだ。総理の考えや見通し,対応は適切なものでなく,時々はったりをかましながら綱渡りの不安定な状態で国を引っ張っているんだなあと感じる。野田氏は愛だか仲良しだか,そういうことを大事にすると言っていた。「友愛」を唱え,誰に対してもよい顔をして自滅した鳩山氏を思い出す。
 しかも今回の発表は,建設中止ではなく5年間凍結ということだ。日本はかつてない財政難で,生活の苦しい非正規雇用の人々も補助のない普通の料金の民間アパートなどで暮らしているのだ。地方公務員宿舎や教員住宅もどんどん売却されている。そのような時代に,今回逃げ切れたら5年後にまだ国家公務員宿舎をつくろうという道を残した形だ。野田氏には本当にあきれてしまう。当初,野田氏をおっとりした庶民派のように思っていたが,次第に平和ボケしたお坊ちゃんに見えてきた。

 朝霞の土地は埼玉南部で東京にも近い人口密集地帯だ。建設予定地だったところには木もたくさん残っているので,市民の憩いの場である公園として整備するのはどうだろうか。そして都市直下型地震などにも対応できるように地下には食料や水,寝袋,テント,自家発電装置を用意し,炊き出しや簡易トイレがすぐに設置できるような設備を充実させて,埼玉南部の緊急時対応拠点にしてもらいたい。