このほど保安院が3月16日までにどのような放射性物質がどれくらい大気中に放出されたかの試算を公表した。
それによると放出された放射性物質は全部で31種類,その中には半減期が2万年以上のプルトニウム239も当然含まれているが,問題はその量だ。原発近くから微量のプルトニウムが検出されたなどと説明していたが,実はプルトニウム239だけで32億ベクレルが大気中に放出されていた。原発から離れた福島市や北関東,東京などではまったくプルトニウムの話が出てこないのは,単にヨウ素とセシウムだけを検査しているからなのではないか。ハワイやアメリカでも福島原発の事故後にプルトニウムが検出されているのだから,はるかに近い東京に降っていても何ら不思議はない。
プルトニウムの危険性はセシウムの300倍という学者もいる。国はヨウ素とセシウム以外の放射能核種についても調べて公表をしなければならない。そうしなければ避けられたプルトニウムも知らぬ間に体内に取り込んでしまう結果になりかねない。
プルトニウムはある,いや無いと不毛のやり取りをしていないで,まず土壌を調べなければその地域にプルトニウムがあるかどうかわからないであろう。とにかく調査を!。