「ミスター大丈夫」とか「ミスター100ミリシーベルト」と呼ばれる長崎大学教授の山下俊一氏は,原発事故後様々な問題発言を繰り返してきた。例えば「放射線の影響はニコニコ笑っていれば出ない。クヨクヨしている人に出る」とか「飯舘村でもマスクなし、子供の外遊びも大丈夫」,「国の定めた年20mSvの基準に従うのが国民の義務」,そして例の「妊婦や乳児であっても、年間100ミリシーベルト以下では大丈夫」「1時間当たりの環境線量が10マイクロシーベルト以下であれば、もう外で遊ばせて大丈夫です。」(国際的な基準では1時間当たり0.11マイクロシーベルト以下となっている)などがある。実際山下氏の言葉を信じて子供を外で遊ばせ被ばくをさせてしまった親たちが事実を知ったのちに泣いて訴えていた。
6月頃にこの福島県民の健康を将来害するような発言を繰り返す山下氏を福島県の健康管理アドバイザーから外そうと,福島大学の教員たちが福島県知事に対して要望書を提出した。福島大学の10名以上の研究者が名を連ねる。しかし逆に福島県知事は7月にこの山下氏を福島県立医科大学の副学長として招くという奇妙な行動をとった。そして県民を被験者として長期にわたり人体への影響を調べるようにした。山下氏は放射能はまったく大丈夫だと言っていた人物だ。もしそれが本当なら福島県民を調べる意味はないだろう。福島県民をわざと安心させて放射能を浴びさせ,次はその影響を調べたいというのか。これまでの発言の目的はここにあったのかとさえ疑いたくなる。福島県民はモルモットではない。
山下氏はもう相手にしないとして,それよりも不思議なのは福島県知事の行動である。ニュースなどを見ていると福島県民のためにがんぱっているようにも見えたが,山下氏を健康管理アドバイザーにしたり副学長として招いたり,どうもよくわからない。この知事は,県民の内部被ばく検査に関してもいろいろと指摘がなされている。もしかしたらニュース映像によって私も騙されていた可能性がある。油断をすることなく気を引き締めて今後の知事の行動を注視していく必要があるのかもしれない。
今回いろいろ調べてみると,福島大学の一部の研究者達はどうやらまだどこからも懐柔されていないようである。どうかこの福島大学の研究者たちに,福島県民を救っていただきたい。