原子力学会で,学会以外の津波研究者が呼ばれて講演を行った。このようなことはまれなことらしい。その研究者は,過去に起きたものと同じ規模の津波はまた起きるものとして対策を取らなければならないと訴えていた。
 原子力学会による「大きな津波は来ない」といったものは論外だが,私に言わせればこの津波研究者の言うことも間違っている。過去に起きたこと以上に大きな津波は未来においては来ないと考える根拠がわからない。だから事故や災害のたびに「想定外だった」となるのである。
 以前にこのブログで何度も書いたので詳しくは省略するが,物理的に不可能でないことは起きるものとして対策を講じなければならないのである。全自動ということがない以上,必ずヒューマンエラー(人間による勘違いや判断ミス)は起きる。全自動となったとしても人間の作った機械は必ず故障もするし劣化もする。また人類の科学技術のレベルはまだまだ完璧ではない。自然災害以外でも,大規模な事故が起きる要素は数知れない。
 二度と「想定外だった」「過去にはないことだった」という陳腐な言い訳を聞きたくないものだ。